ドメーヌ・モス|Domaine Mosse 2024.2.5
怒涛のサロン巡り、南仏やジュラの生産者訪問を経て(順番でUPしていきます)記憶の新しいうちにドメーヌ・モスの訪問記をUPしていこうと思います。ご両親のルネ&アニエスが始めたワイナリーで、現在は兄弟で兄のジョゼフと弟のシルヴェストルが後を継いで、家族で仲良くワイン生産を行っています。
訪問したのは2023年の2月ですので、2023年のブドウは基本的にはタンクの中で発酵・熟成中です。この後早いもので3月ごろから瓶詰めを始め、7月初旬にはほとんど全てのキュヴェの瓶詰めを終える、という作業行程になります。
2023年は収穫は多く、全体的には冷涼感のある年だった。また収穫の期間中に雨と晴れを繰り返し、収穫開始時のブドウと終盤に収穫したブドウもあまり糖度が変わらなかったそうです。
ボンヌブランシュ[2023]
ドメーヌのトップキュヴェ。3月には瓶詰め予定。古樽、大樽の卵形フードル、セメントタンクと3種類の容器で熟成中。古樽のワインはシャープな酸、大樽のワインからは旨味、果実味が全面に出た味わいで、熟成容器が異なるだけで全く違ったキャラクターが出ています。2023年は全体的には冷涼な年で、発酵は問題なくうまく進んだそうです。この後飲ませてもらったボンヌブランシュの別区画(2.6ha)のワインからはこれらとはまた異なったアロマやミネラル、フレッシュな飲み心地がありました。
マジック・オブ・ジュジュ [2023]
スーティラージュ(澱引き)してすぐなので、あまり状態は良くないんだけど・・・。と言いながら試飲させてもらう。やはりワインが動くので、動こかした直後になるので状態は良くないということです。
ソーヴィニョンブラン、シュナン、買いブドウのコロンバールをアッサンブラージュ(ブレンド)するワインで、それぞれ別のタンクで熟成中です。コロンバールはまだ発酵が終わっていないそうです。
サヴニエール・アレナ [2023]
1年落ちの古樽及び新樽にて熟成。それぞれの樽から試飲させてもらいましたが、やはり全然違うキャラクターになっています。樽熟成の一つの特徴であるワインの厚みがしっかりと出ていますが、酸味にきちんと残っています。新樽から飲ませてもらった方は、やはり樽香を感じると同時にアルコールの強さも感じました。ポテンシャルが高そうです。
またボンヌブランシュの区画の畑にほんの少しサヴァニャンを植えているそうです。1樽しかないのでフランス国内でのみ流通とのこと。収穫はなんと8/25日。(早い!)収穫のタイミングはブドウを食べて決めたそうです。
ラ・ジュット [2023]
若いシュナンブランと古いシャルドネのアッサンブラージュ(ブレンド)ワイン。それぞれ樽毎に仕込んだワインを試飲させてもらいます。
同じ区画にある畑ですが、それぞれ完熟のタイミングが違うそうです。今年はシュナン80%、シャルドネ20%の予定だそうです。樽から出したばかりのワインですので、少し還元を感じましたが、香りは華やかアロマを感じました。
オーフェルマウス [2023]
マセラシオンは4日間と短い。マセラシオンに関連しては2018年にシュール・リを長期で行うことから始めた。理由としてはワインにストラクチャーが欲しかったので。7ヶ月の長期マセラシオンに挑戦したことはあるが、長すぎるマセラシオンではタンニンと梗の感じが出てしまうのでそれはあまり好きではない。そこでアンフュージョンという手法で作ったワインが2020年のノヴァ。
アンフュージョン
ドメーヌ・モス / ノヴァ(アンフュージョン)[2020]DOMAINE MOSSE / NOVA
長すぎるのも短すぎるのも避けるために、ブドウのジュースに全房のブドウを漬け込む手法。こちらの出来には満足しているとのこと。ただブドウ自体がキレイでないとできないので、2020年以来仕込みたいけど、仕込むことができない状態が続いているとのことでした。アンフュージョンを行うことで発酵が進みやすくなり、途中で発酵が止まるリスクを避けることができるのも大きなメリット。また全房のマセラシオンはブドウが良くないとお酢になってしまうリスクがあるとのことでした。
Pirie ピリエ[2023]
グロローノワール、カベルネフラン
新しいキュヴェ。全部手除梗。割としっかりめのタンニンを感じます。
Bisou ビズ [2023]
グロローノワール、グリ、コ、ほんの少しだけカベルネフラン
ローソンの唐揚げくんと合う、と言っていました笑。
カベルネフラン[2023]
見た目もしっかりと色が抽出されています。アルコール度数はおそらく12度くらい。味わいもストラクチャーもしっかりとしており、夏まで樽で熟成させてから瓶詰めする予定。
バンガラン [2022]
カベルネフランのダイレクトプレスが50%
グロローグリ、ガメイの短いマセラシオンカルボニックが50%
白が多かったから、赤のラインナップを少しずつ増やしてきた。
ジョゼフ曰く 「プールサールみたいな出来でいい感じでしょう?」
プチルージュ、軽い、ビズより軽い。こういうワインが好きだから作った。
レ・ボンヌ・ブランシュ[2015]
最後に出てきたのはこちら。兄弟でドメーヌを手伝い始めてから一番いい収穫と醸造ができたキュヴェだから飲ませてくれたそうです。確か2014年からドメーヌの仕事に参画してるそう。2015年は暑い年でしたが、ワインの味わいには冷涼感がありバランスよく美味しいです。今後卵形のタンクを購入予定で、ボンヌブランシュでも作るそうです。
夏前には現在のドメーヌから引っ越しを予定しているとのこと。手狭になっているのでいい物件を探していて見つかったようです。また引っ越し先でのワインも楽しみですね!