ハレの日ワイン ~春分の日~

ハレの日ワイン ~春分の日~

ハレの日ワイン 〜3/20 春分の日〜

前回のハレの日ワインでひな祭りについて書いたときに、前日までに書く宣言をしましたが、今日が祝日だというのを前日まで全く気付きませんでした。コロナのせいで生活リズムが乱されてますね。

さて、本日3/20は春分の日です。春分の日とは「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。(調べて知りました!)今回は春から連想されるワインを選んでみました。

ル トン デ スリーズ/アヴァンティ ポポロ 16
産地:フランス ラングドック地方
品種:カリニャン

選んだ理由は「ル トン デ スリーズ(さくらんぼの実る頃)」という春を思わせるドメーヌ名から。平和を願って付けられたドメーヌ名です。興味のある方はこの後の文章を是非読んでみてください。

南仏のワインなのに軽やか。軽やかだけどどこかしっとりとした落ち着きもあります。ちょっと汗ばむ陽気もあったり、肌寒い日もあったりと、この時期に飲むのに最適な癒し系赤ワインです。このワインは、翌日に持ち越すよりは1日で飲み切ってしまった方が美味しく飲めるかも。ぜひお試しください。

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〜以下インポーター資料より〜

Le Temps des Cerises / ル トン デ スリーズ
「儚い恋の歌に平和への想いをのせて」
「ル トン デ スリーズ(さくらんぼの実る頃)」は、1866年にジャン=バティスト クレマンによって作詞され、アントワーヌ ルナールの手によって作曲されたフランスの古い歌曲です。この曲は後に、パリ コミューンをめぐる歴史に強く関連付けられ、作詞家のジャン=バティスト クレマンが想いを寄せていた女性が、「血の一週間」の間に殺害され、彼女を失った悲しさと儚い恋の想いを綴ったものと言われています。このパリ コミューンは、ドイツ プロイセン王国との戦争に敗れたフランスの政府とパリ市民の和平交渉をめぐる対立から生まれたパリ市民による革命自治体でした。その対立は、フランス(ヴェルサイユ)臨時政府とパリ コミューンの内戦とつながり、パリ全土が戦火に焼かれることになります。この戦闘は後に「血の一週間」と呼ばれ、政府軍は、パリ コミューンの兵士や市民を裁判などを経ずに銃殺するなどして3万人にも及ぶパリ市民を殺害し、パリを鎮圧しました。
そんな悲劇から生まれた歌曲から自らのドメーヌ名をとったのは東ドイツ出身のアクセル プリュファー。経済大学に2年ほど通っていましたが、自分の望む本来の生き方とは違うのではないかと疑問を抱くようになり、バーなどで働きはじめます。その後、兵役に就くのを嫌ってキャンピングカーに乗り込み、安住の地を求めて放浪します。そして行き着いたのがフランス ラングドック地方。この地で彼は、ヤン ロエル、ジャン=フランソワ ニック、エリック ピュフェリン(ラングロール)と出会い、彼らからワイン造りの手法とそれにかける情熱を学び、自らもヴィニュロン(ブドウ・ワイン生産者)となりました。
かつてプロイセン王国が存在した東ドイツから兵役を避けてフランスに渡ってきたアクセル プリュファーが、自らのドメーヌの名前にドイツ(プロイセン)とフランスの戦争をきっかけとした悲劇から生まれた歌曲「ル トン デ スリーズ」を選んだ背景に想いを馳せると、彼の大切にしたい生き様というのが垣間見られるような気がします。彼がいた当時のドイツには徴兵制度があり、18歳以上の男子には兵役の義務がありました。とはいえ第二次世界大戦の歴史的経緯もあり、良心的兵役拒否(ボランティア等の従事による兵役の代替)が認められており、兵役自体が不可避というわけではありませんでした。しかし、平和を愛する彼にとって、戦争というシステムに加担するような事はしたくないという想いからでしょう、生まれ育った母国を離れることを選択します。そして移り住んだフランスでワイン生産者となり、母国ドイツと自分を受け入れてくれたフランスとのかつての戦争の歴史から生まれた歌曲からドメーヌ名をとったのです。それは、彼の平和への強い想いのあらわれであったように思えてなりません。