ワインセレクトの舞台裏〜試飲会で選んだ7本の理由〜(2025/1/18)#18

昨日は第57回ナチュラルワイン試飲＆即売会でした。この試飲会は毎月1回、木曜か金曜に開催しています。通常は最終週での開催が多いのですが、今回は今週の開催となりました。

今回のラインナップはこちら！

・ダニエーレ・ポルティナーリ／ピエトロ・ビアンコ [2021]🇮🇹
・アドリアン・ダカン／オリジン [2021]🇫🇷
・ラ・カステッラーダ／ビアンコ・デッラ・カステッラーダ [2017]🇮🇹
・ラ・カステッラーダ／フリウラーノ [2017]🇮🇹
・アドリアン・ダカン／モンドゥーズ [2021]🇫🇷
・ラッセッラ／アキッレ [2023]🇮🇹
・ファビオ・デ・ボーモン／マッキウザネッレ [2021]🇮🇹

今回はリリースされたばかりのイタリア🇮🇹ワインと少し寝かせたフランス🇫🇷ワインを試飲していただきました。今回のセレクトには実は裏テーマがありました。それは、

「日持ちしそうなワイン」

という事です。いつも裏テーマがあるわけではないのですが、今回は「日持ちしそうなワイン」を中心に選んでみました。

「日持ちしそうなワイン」ってどうやって選ぶの？という疑問が浮かびますが、これはある程度の経験からくる予測が主となってきます。その生産者のワインを過去に飲んだ事があって、それがどのような味わいの変遷を辿ったか、の記憶があるかどうか。その経験の積み重ねによって予測します。

今回は最初からこの裏テーマがあったわけではなく、どのワインを飲んでもらおうかな、と選んでいる中で自然と決まってきたテーマとなります。試飲会に出すワインはどのように選んでいるのか？毎回色んなケースがあるのですが、今回のケースをご紹介いたします。

まず自分が気になっていて飲みたいワイン、飲んでもらいたいワインが既にありました。それはラ・カステッラーダのワインです。つい先日、ラ・カステッラーダのワインが約10種類ほどリリースされました。いつも飲んでみたいし、昔から好きな生産者ではあるのですが、試飲をする機会があまりない生産者でもあります。10種類全てカステッラーダでもいいかと、一瞬頭をよぎりましたが予算が合いません笑。なので、この中からまずは2種類飲もうと決めました。インポーターさんにも相談し、現時点で一番開いている2種類をすすめてもらいました。この時点でまずはこの2本が決まりました。

・ラ・カステッラーダ／ビアンコ・デッラ・カステッラーダ [2017]🇮🇹
・ラ・カステッラーダ／フリウラーノ [2017]🇮🇹

次に、イタリアが2本決まりましたのでこのままオールイタリアで行くか、フランスも交えるか少し考えました。オールイタリアでも良かったのですが、セラー内を見渡すと少し寝かせてあって、状態を確認したいワインが目に留まりました。

・アドリアン・ダカン／オリジン [2021]🇫🇷
・アドリアン・ダカン／モンドゥーズ [2021]🇫🇷

ちょうど先日インポーターさんの試飲会で[2023]がリリースされた生産者のワインです。23がとてもいい状態だった事、また個人的にもイチオシの生産者であり、まだ世間的な認知がそんなに高くない生産者であり、冬に飲むのにいいかも、という味わいですのでこの2本が決まりました。

この4本を見てみると、ラ・カステッラーダのワインは日持ちするどころか、抜栓後もどんどん美味しくなるワインという経験がありました。またアドリアン・ダカンのワインも日持ちした記憶がありました。せっかくだからこのまま「日持ちしそうなワイン」を選んでいこうと、この時点で裏テーマが決まりました。

次に価格バランスを考えました。「試飲＆即売会」ですので試飲してもらうだけでなく、購入してもらうのも目的の一つです。ここまで選んだワインはやや高価格帯に位置するので、もう少しカジュアルラインでちょうどいいワインがないかな〜、とセラーを見渡しました。ありました！

・ダニエーレ・ポルティナーリ／ピエトロ・ビアンコ [2021]🇮🇹

お財布に優しい価格でありながらも、冬の鍋料理なんかにも重宝するスッキリ系の白ワイン。カステッラーダが醸しのワイン（オレンジ）ですから、普通の白が欲しかったのでドンピシャのワインです。こちらも入荷したばかりで個人的に未試飲というのもちょうどいいです。また味わいが開くのに時間がかかる印象がありますし、以前のヴィンテージも日持ちした記憶がありました。

ここまで決まったワインは醸し（オレンジ）3種、赤1種、白1種です。この試飲＆即売会では最近は7種類のワインを飲んでいただいていますので、あと2種類となります。バランスを考えると残りの2種類は赤が欲しいので、赤ワインを探します。アドリアン・ダカンは山のワインで酸がスッキリとしたワインですので、少しパワフルなワインが欲しいな、と思いました。そこでイタリアのコーナーに目をやると、ありました。

・ラッセッラ／アキッレ [2023]🇮🇹

ラッセッラのアキッレはいつも人気のワインでして、入荷すると即完売的な人気のワインです。幸い今回は入荷したばかりでまだ在庫があります。また人気を見越していつもより多めに発注しましたので余裕があります。僕個人的にもこのヴィンテージはまだ飲んでいなかったし、久しぶりに飲んでみたいと思い、すぐに決まりました。

・ファビオ・デ・ボーモン／マッキウザネッレ [2021]🇮🇹

ラストはこちらのワインです。インポーターさんとしても新規で取り扱いを始めたカンパーニア州の生産者です。樹齢150年のバルベーラから造るワインとの情報がありました。100年越えの樹齢でもものすごいのに150年とは！？こちらも楽しみしかありません！

こちらのイタリア🇮🇹赤2種類も力強いワインですので、1日でへたるイメージがありません。個人的にはイタリアワインの方がフランスよりも日持ちがいい印象があります。

これでバランスよく醸し（オレンジ）3種、赤3種、白1種の7種類のワインが決まりました！今回は比較的スムーズに決まりましたが、いつも時間をかけて悩みながら選んでいます。味わいのバランス、在庫量、価格が適正かどうか。またフランスのみにするのか、イタリアのみにするのか、生産者を絞った試飲会にするのか、テーマはその時々で様々です。

ワインの個々の味わいについては、引き続きレポートいたします。川越角屋酒店クレアモール店では、今回抜栓したワインを本日よりグラスワインでお楽しみいただけます。この土日は明らかに良くなっていきそうな雰囲気がありますので、ぜひグラスでお楽しみください！