トスカーナの名手パーチナが造るロザート2021――セニエ法で生まれる旨みとフレッシュさの傑作ロゼ
トスカーナの名手パーチナが造るロザート2021――セニエ法で生まれる旨みとフレッシュさの傑作ロゼ
トスカーナを代表するナチュラルワイン生産者パーチナ(Pacina)が、フラッグシップ赤ワインのタンクからセニエ法で造り上げたロザート2021。サンジョヴェーゼを使ったロゼワインといえば、軽やかさだけを求めたものが多いなか、このロザートは旨みと奥行きを兼ね備えた一本です。今回はこのワインを実際に飲んでみた感想をお届けします。
パーチナのロザートとは――フラッグシップタンクからわずか8時間以内に生まれるロゼ
パーチナはトスカーナ、いわゆるキャンティの産地に構えるワイン生産者です。サンジョヴェーゼを使った赤ワインをメインに造っており、フラッグシップの赤はもちろん申し分なく美味しい。でも実は、不定期にリリースされるロザートと醸しの白ワイン、この2つがまたとびきりおいしかったりするんです。
今回のロザートは、フラッグシップワイン「パーチナ」のタンクから、発酵開始後わずか8時間以内に抜き取ったモスト(セニエ法)で造られます。抜き取ったモストは別のセメントタンクへ移して発酵を続け、その後500Lのオーク樽で12か月間熟成。この工程を経ることで、ロゼらしいフレッシュさと、赤ワイン仕込みならではの骨格と旨みが同居した、唯一無二の味わいに仕上がります。
実際に飲んでみた――落ち着いた香り、広がる旨み、心地よい酸

グラスに注ぐと、立ち上がるのは落ち着きのある穏やかな香り。派手さはないけれど、じっくり向き合いたくなる佇まいです。口に含むと、じんわりと旨みが広がり、ほどよいタンニンと赤果実を思わせる酸味が心地よく余韻を締めてくれます。ややガス感が残っており、それがフレッシュさと奥行きをうまく橋渡ししている印象。
パーチナのワインはときに揺らぎや不安定さを見せることもあるのですが、このロザートは非常に安定していて、開封から4〜5日にわたって美味しく楽しめました。ロゼにしては珍しいほどの持続力です。デイリーに気軽に開けながら、日を追うごとの変化も楽しめる一本でした。
ワインは人――パーチナファミリーと過ごした忘れられない時間
2023年6月、実際にパーチナを訪問する機会がありました。到着するとパーチナファミリー総出で出迎えてくれ、アグリツーリズモに2〜3泊。毎回の食事を一緒に囲み、秘蔵のバックヴィンテージも開けてもらいながら、本当に温かい時間を過ごしました。
「ワインは人。」とはナチュラルワインの世界でよく語られる言葉ですが、パーチナのワインを飲むたびに、その言葉の重みをひしひしと感じます。大らかで懐の深い味わいは、あのファミリーそのもの。優しさに溢れる人々から生まれるべくして生まれたワインだと、毎回飲むたびに思います。実際に「パーチナのワインを探しに来ました」と来店されるお客様もいるほど、インポーターさんが紹介する言葉と、ワインそのものが放つ引力は本物です。
残りわずか――このタイミングを逃さないでください
現在の在庫は残りわずか4本。毎ヴィンテージ数量限定でリリースされるロザートは、出るたびにすぐなくなってしまいます。パーチナのロゼに初めて触れる方にも、すでに好きだという方にも、自信を持っておすすめできる2021年です。ぜひこの機会に手に取ってみてください。
生産者情報
生産者:Pacina(パーチナ)
産地:イタリア/トスカーナ(キャンティ)
使用品種:サンジョヴェーゼ
タイプ:ロゼワイン(セニエ法)
熟成:500Lオーク樽 12か月
ヴィンテージ:2021年