ピエール=オリヴィエ・ボノーム|Pierre-Olivier BONHOMME 2024.2.6

ピエール=オリヴィエ・ボノーム|Pierre-Olivier BONHOMME 2024.2.6

訪問した時はちょうど「蔵ブラン2023」の瓶詰めの真っ最中。1時間に3,000本の瓶詰めを行うということで、すごいスピードで瓶詰めが行われていました。

 

 

広大な置き場が樽や瓶詰めされたボトルで一杯になっていました。これだけたくさんのキュヴェをこのクオリティで生産し続けるピエロの手腕に脱帽です。実際に訪問中もスタッフたちは、瓶詰めで常にキビキビと働いていたし、ピエロ自身もピリッとした緊張感を纏っている感じでした。

例えばヴェルシュニー2022は揮発酸が上がりすぎている為、商品化せずに全量廃棄を考えているらしい。自分に課したクオリティの基準の高さが伺えます。確かに揮発酸、酢酸を感じるワインでしたが、十分に美味しく、問題を感じない状態でした。 

ヴァンクゥール・ヴァンキュの白のブレンドに関しても、さまざまな区画のシュナンやムニュピノを様々な熟成容器(タンク、古樽、新しめの樽、ホーロータンク)で熟成して、安定の美味しさに仕上げてくる手腕は、現場を見てみると見事の一言に尽きます。一体どれだけたくさんのキュヴェを生産しているんだ、と。

 

例えば「テゼ2023」は12月に糸引きが発生したので、その時点で全てをスーティラージュ(澱引き)したとのこと。試飲もさせてもらったのですが、多少糸引きの余韻は残っているものの、(糸引きは一度発生してしまうと多少ニュアンスが残ってしまうことが多い)果実味たっぷりで美味しいワインでした。それを発見してすぐに処置する手際の良さもさることながら、瓶にサンプルを取る際に1本は敢えて満タンにせずに酸化的な状態で保存してみたものもあったり、などワインに対して本当に真摯に向き合っていることが良くわかりました。

酸膜酵母がうっすらと。

また何年か前から挑戦しているジョージア産のアンフォラを使用したワインですが、発酵したワインを熟成容器としてアンフォラを使用する方法が一番いいというところに辿り着きました。現在の状態には非常に満足しているそうです。基本的にはソーヴィニョンブランが多かったのですが、ロモランタンとメリエのアンフォラ熟成にも挑戦中とのことで、そちらも飲ませてもらいました。

ロモランタンのマセラシオンはこんな色に!ピエロ自身も驚きだそう

今回飲ませてもらったのは樽で発酵中のワイン、瓶詰め済みのワインも全部含めて20種類以上!忙しい中ありがとうございました!