白ワイン

オジル / サン・ロンキュンヌ [2019] Ozil / Sans Roncune

¥4,510 (税込)

D1-

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オジル / サン・ロンキュンヌ [2019] Ozil / Sans Roncune
オジル / サン・ロンキュンヌ [2019] Ozil / Sans Roncune

生産者情報

ジェローム ジュレ、ジル アゾーニ、マゼルなど名だたる造り手達が活躍するアルデッシュ地区。もっともアルデッシュと一言で言ってもその範囲は広大で、彼らが活躍するのはアルデッシュの中でも南のエリア。この場所は、ワイン産地としては辺境の辺境。テロワールというヒエラルキーではもっとも裾野に位置するとされた場所で、大手ネゴシアンや協同組合にブドウをkg単位で売るしか選択肢がなかったエリアでした。しかし、選択肢が無いと言うことは、失うものがないという意味でもあり、自らの信念に添って人生を賭けたワイン造りに取り組む生産者が一人、また一人と登場します。その先駆者はレザン エ ランジュのジル アゾーニ氏であり、ドメーヌ マゼルのジェラール ウストリック氏です。そして2006年に自然派ワイン造りをスタートさせたジェローム ジュレの登場によってこの地域は一気に活気を帯び始めました。

当初は、素朴で自然な味わいが魅力のワインを造っていたジェローム ジュレでしたが、その進化のスピードは脅威的で年を追うごとにその香り、味わいにはエレガントさをまとうようになり、ある種の色気を感じさせてくれるまでに成長します。そして今やフランスをはじめ世界中で大人気の造り手となりこの地域を代表する生産者となりました。

このジェローム ジュレの成功は、地域の若手生産者にとってのモデルケースとなります。ドゥ テール、ロ マス ド レスカリダ、シルヴァン ボックともともと協同組合にブドウを売るなどしていた栽培農家の新しい世代の造り手たちが自然派ワイン造りに挑戦し、ジェローム ジュレやジル アゾーニ、ジェラール ウトリックなどがワイン造りの指導や販売先の紹介など地域コミュニティをあげてサポートをしていきます。その結果、アルデッシュ地区は自然派ワインの一大産地となり、ホットスポットとなったのです。

2013年にトマとジャン=ダニエルのオジル兄弟によってはじめられたドメーヌ オジルもこのアルデッシュの潮流の中で生まれた新しい自然派ワインの造り手です。彼の父親は、典型的なこの地域の栽培農家で、ブドウのみを栽培してそれを協同組合に売っていました。しかし近年は、協同組合の倒産や低価格な新世界ワインの台頭によるネゴシアンの販売不振などの影響もあり、栽培農家として生計を維持するのが年々厳しくなっています。そんな中、息子のトマ オジルは、近隣のジェローム ジュレやジル アゾーニの成功を見て、自分たちの代では自然派ワインを造るんだという意志を固めて行きます。トマはまずジェローム ジュレの下でワイン造りを学び、そして独立前にはジル アゾーニの下でも研修を重ねます。特にジル アゾーニの息子であり、現在は引退したジルの後を継いでワイン造りを手がけるアントワンヌ アゾーニとオジル兄弟は、同世代ということもあって親交が深く、切磋琢磨しながら先駆者達の経験と知識をしっかりと吸収して、初ヴィンテージからキラリと光る魅力の備えたワインを生み出しています。

とは言え、協同組合などにブドウを販売するというスタイルは、いまだにこの地域の栽培農家の典型的な仕事の仕方であり、彼らのような自家瓶詰めで、しかも自然派ワインを手がけるのは異端中の異端です。その一端を垣間見たのは彼らのドメーヌを初めて訪ねた時でした。

彼らの醸造所がある村の近くまで辿り着いたものの例によって場所がわからず連絡すると、ミニバイクでさっそうと迎えに来てくれたのはトマ オジル。20代後半か30代になったばかりといった感じの若々しい風貌です。醸造所に着くと彼の父親も迎えてくれました…が、簡単な挨拶の言葉を交わしたものの、その後はじっと私たちを値踏みするように押し黙ったまま見つめるだけ。試飲を始めても、ずっとついてくるにも関わらず会話に参加するわけではありません。唯一の例外はタンクに入ったシラーを試飲した時の事、若干の還元的なニュアンスがあったのですが、「この臭いは何日後かに飲むと気にならなくなるよ」と突然フォロー。もちろん瓶詰め前のワインが還元的なニュアンスがあるのは私たちにとっては意外な事でもなかったのですが、息子を心配するあまりか思わず発した言葉が「還元香へのフォロー」でした。この瞬間に、様々な事がすっと理解できました。

彼らの父親としては、リスクある自家瓶詰めやましてや自然派ワイン造りに挑戦しようなどは荒唐無稽で無謀な話。ビオロジックで栽培し、自然酵母で発酵、厳密な清澄も濾過もしないで、亜硫酸も添加せずに瓶詰めというワイン造りは完全に理解を超越しています。自分の息子たちが近隣の変人にたぶらかされて変なワイン造りを始めてしまったと心配になっても不思議ではありません。そして、醸造所にワインを買い付けに訪問してくるのは怪しげな東洋人達(私たちの事です)。濁ったワインや還元したワインを試飲しながら、「これは良くなりそうだね。これはピュアな味わいがする。」などと話している訳ですから訝しがって当然です。そもそも自家瓶詰めをしなければ、訪問客が来ることもありません。息子たちの無謀(に映る)挑戦によって仕事を取り巻く環境が180度変わった訳です。

対してトマとジャン=ダニエルの兄弟は、とても自然体です。特に気負ったところもなく、当たり前のことを当たり前に積み重ねていくといったスタイル。初年度は自由にして良いと許可を得た2.5haほどの面積でビオロジック栽培に転換、自然酵母による発酵、瓶詰め時の亜硫酸無添加など、さすがはジェローム ジュレとジル アゾーニに鍛えられただけあって「リスクヘッジ」などのない直球の自然派ワインスタイルを貫きます。仕上がったワインは、派手さこそありませんが素朴さとピュアさ、なめらかな口当たりに余韻の美しさと、まさに南アルデッシュの自然派ワインスタイルでした。

2014年の3月にマルセイユで行われた南フランスのスター生産者が集まる試飲会「ラ ルミーズ」で、ジル アゾーニのブースの一画を借りてお披露目された彼らのワインは、来場していたパリのカヴィストやソムリエ達の間でも「あれ飲んだ?凄くイイね。」とすぐに噂にのぼります。実際、初ヴィンテージとなる2013年の各ワインは、まだまだ荒削りなところこそありますが、味わいは非常にピュアで果実味もしなやか。ジル アゾーニのワインやジェローム ジュレのワインにも通じるしなやかな飲み心地があり非常に好感の持てるワインたちでした。彼らのワインから感じる素朴だけれでもやり切っているという印象は、このさらに7年前の2007年に「ディーヴ ブテイユ」という試飲会で、この時と同じくジル アゾーニのブースで出会ったジェローム ジュレの初ヴィンテージを彷彿させるものでした。

まだまだ若く、可能性に満ちたオジル兄弟。彼らのワインが多くの人に認められるに伴って父親も態度を軟化させ、彼らに自由に任せる畑の面積を徐々に増やしていると言います。これからさらに経験を重ねて、畑も広がり、ワインもどんどんと成長・安定してくるはずです。南アルデッシュの新世代のスターの誕生を皆様と一緒に見守って行きたいと思います。 


商品紹介

キュヴェの名前は「恨みっこなしで」。オジル兄弟が、一般的なヴィオニエの鈍重で甘い味わいが嫌いだった為、ヴィオニエでありながら酸の有るクッキリとした質感を目指して造られたキュヴェ。彼らの所有畑の中では比較的樹齢が10~15年と若いヴィオニエを使用。ファイバータンクで熟成させ、サンスフルで瓶詰。収穫時にpH値を見つつ通常より早めに収穫。酸を残して収穫した方が、この地域では結果的に醸造が上手く行く事が多いそうですが、このエリアでは3日遅れただけでも酸が格段に落ちるため、収穫時期はナーバスになるそうです。特に2019vtは非常に暑かった年だった為、このような美しい酸が保つことが出来たのは幸運だったとの事。クリアで透明感のある黄色み掛かった麦藁色の外観。最初は黄色い花やライチ、フレッシュな赤いリンゴ、グレープフルーツ、花梨の凝縮した香り。
味わいは抜栓直後に骨格のある酸、ミネラルを感じ、次第にヴィオニエらしい膨らみのある果実と、味を引き締める若干のビターやグレープフルーツの白い部分の苦みが全体をダレさせず、硬質でソリッドなスタイルにします。時間と共にフレッシュな桃や洋梨の果実味が溢れ、飲んでいる方も気持ちが沸き立ってくるとてもフレッシュで愛らしいキュヴェ。様々な要素が出てくるボトル中盤以降の味わいは、食事との相性が良く、サラダや白身魚、鶏料理と合わせるとより楽しむことが出来ます。2日目以降もマメ等の不安定さが出ることはなく、美味しく飲み進めることが出来ます。

容量 750ml
タイプ
度数 15%
地域 フランス/アルデッシュ
生産者
オジル
ブドウ品種
ヴィオニエ
その他


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オジル / サン・ロンキュンヌ [2019] Ozil / Sans Roncune
オジル / サン・ロンキュンヌ [2019] Ozil / Sans Roncune