白ワイン

モンテ ディ グラツィア / ビアンコ[2022]Monte di Grazia / Bianco

¥4,620 (税込)

J7-

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生産者情報

山間に夕日が沈む秘境の地に残された伝統、父子の継承を経てさらなる次の表現へ

 世界遺産にも登録された、「世界一美しい海岸」と呼ばれるアマルフィより北に 7Km、険しい山道の先にあるトラモンティの町。当主であるアル フォンソ アルピーノは、ホームドクターとして人々の健康を管理しながら、自分の生まれたこの土地を愛してきた。アマルフィ海岸より直線距離 で僅か 5 ㎞でありながら町の標高は 400m。畑のある斜面では 500m を越える事も少なくない。厳しい急こう配と、火山性の砕石を含んだ貧 しい土壌、決して豊かとはいえないこの土地で暮らす人々が暮らしの中で生み出してきた農業、そして生きるためのワイン造り。ワインは単なるア ルコールではない、古くは食料であり薬だった、、。そう語るアルフォンソ、医師でもある彼にとって、トラモンティの独特な農業やワイン造りに強く 惹かれ、それを守りたいと誓うきっかけとしては十分でした。

先祖から引き継いだ畑(Monte di Grazia)、他にも、過疎や高齢により手放された放棄地を買い足し、1990 年よりブドウ栽培を開始。自家消 費用程度の生産量からスタートし、2003 年よりボトル詰めを開始した。海から近く、さらに標高も高い、そして火山性の特徴的な土壌。平地が少 ないこともあり、ブドウ栽培は他所とは大きく異なる発展を遂げている。地表から 1.5~1.7m ほどの高さで放射線状に広がる棚仕立て、 Raggiera ラッジェッラ仕立てと呼ばれる棚仕立ては、エトルリア人が入ってくる以前、ギリシャ時代より生み出された栽培方法。ペルゴラと比較 しても樹の中心や合間から光が地表に射すため、果実自体の生育が良く。地上でも他の野菜の栽培ができる手法(ただ、結実位置が乱雑なた め、作業効率が悪くほとんどの作業が手作業となってしまう。現代の機械導入されたブドウ栽培においては非効率な方法、、。)。平地の少ないト ラモンティでは、ラッジェッラ仕立てでブドウを栽培し、樹の下でトマトや根菜などを栽培するという風景、それこそがこの土地の文化であり伝統、 そしてその風景を守る事が父アルフォンソの願いでもありました。 そんな父の姿を見て育った息子であるフォルトゥナ―ト。幼いころより父の後についてブドウ栽培を手伝ってきたこともあり、トスカーナ州ピサの大 学で農業を専攻し、2015年よりアルフォンソより引き継ぎ、ブドウ栽培、ワイン醸造を始めます。

ブドウ畑はアルピーノ家が代々受け継いできた 2.3ha、そして近隣の農家が高齢・後継者がおらず手放した畑を引き継ぎ、現在約4ha。医師と しての信頼のみならず、トラモンティの風景を守ろうと奔走してきたアルフォンソだからこそ、「彼なら自分たち先祖の土地を守ってくれる」と、地 元の人々からの信頼も厚く樹齢100年を軽く越える、樹木のように成長したティントーレやペペッラといったオリジナルのブドウ樹も残る貴重なブ ドウ畑。 栽培方法は根本的に変わらず、ラッジェッラと呼ばれる中心より不規則な放射線状に枝を伸ばす垣根仕立て。地表から距離があるため、雑草 が伸びたとしてもブドウの生育に大きな影響は出にくく、さらに地表では野菜の栽培にも生かせるという効率を重視したブドウ畑。一般的に棚仕立 てというと、新梢も多く結実も多い、、結果収穫量が非常に多いという印象がありますが、樹齢が 50 年以上、中には 100 年を越える樹も少なく ない彼らのブドウ樹では、棚仕立てとは思えないほどの収穫量の少なさ。畑によって多少違いはあるが 1ha あたり 3~4t と聞けば、その少なさ には驚いていただけると思います。 基本的に表土はほとんど手を加えず、雑草が高くなり過ぎた場合のみ表面を鋤き込む程度。標高の高い畑では、一部で地品種のトマトを栽培 (Corbarino,Cento scocche,Macerata,Col pizzo)。その味わいは地元でも評判で、自家消費だけでなくホールトマト缶としても、極僅かですが生産し ています。 「根より離れた位置で結実するこの仕立て、常識的に考えてもグイヨーや仕立てに比べ、土地のエネルギーがブドウ樹に届かない、もしくは弱 いと言われている。また地面から離れていることで、土地に溜まった日照、熱が果実に伝わらない、結果ブドウの熟度が上がりにくい、そう言わ れてきた。しかしこの 10 年~15 年で、大きく変わった気候、平均気温の上昇によって、これまでマイナス要素でしかなかったこのラッジェッラ 仕立てが、強い日照、エネルギーが伝わり過ぎる事で起きる過度な糖度の上昇を抑え、大地の熱から果実を守る事につながる、、大地からの 要素やミネラル、気温差で生まれる酸。そして何より、10 月中~下旬まで長い時間をかけて収穫ができるという利点につながっている」、そう話 すフォルトゥナート。 個性的な土壌、伝統に倣った仕立てだけでなく、このトラモンティの独自性には、オリジナルのブドウ品種についても知っていただく必要がありま す。黒ブドウであるティントーレ、ギリシャ時代より残ると言われているブドウでソレント半島、このトラモンティ近郊に飲み残っていると言われるブド ウ。他にも白ブドウであるペペッラなど、3 方を海で囲まれ、残り 1 方もヴェスヴィオ火山由来の強い火山性土壌(軽石、砕石、砂を強く含む)に よって、フィロキセラの被害を免れた特殊な土壌環境を持っている。実際に、モンテディグラツィアの持つ高樹齢の畑においては、そのほとんど がピエディフランコ(自根)の状態で植えられている。 これらの古い品種は、言うまでもなく結実性が悪い事、さらに房も密集せずバラバラの状態。近代的なワイン造りにおいては、収穫量が増やせ ず、果実も密度も低い時点で非効率と言われかねません。しかし、彼らが求めているブドウのクオリティだけを見れば、カビや病気にもなりにくく 収穫を最大限に遅らせることが出来るこのブドウ品種にこそ、独自性を発揮できる、そう考えています。

各ブドウ品種の特徴は以下に、、、

ティントーレ(黒ブドウ):房は小さく、円筒形、おそらく羽根房がある。特にバラバラで密集してない。ボトリティスに鈍感(影響が受けにくい)色素 が強く、果肉にもアントシアニンがある。収穫は遅く 9 月下旬以降。柔らかいタンニンと、個性的な酸を持つブドウ。晩成型で良質なアルコールと なる。

ピエディロッソ(黒ブドウ):地域的にも古い品種ではあるものの、同じカンパーニャの他の地域、さらにはプーリアなどでも栽培されている品 種。果梗が赤くなるブドウでレフォスコのよう。土地や環境だけでなく、収穫量でもその性質が変わる特徴的なブドウ。一般的には色素が強いがタ ンニンは柔らかい、酸の少ないブドウ。果実の味わい、香りがあるブドウ。 モッショ(黒ブドウ):果皮にハリがない(Moscio=元気がない、老けている)という独特な地ブドウ。色調は薄く果実味も強くない、ただ他のブドウ値 は質の違う個性的な酸が特徴のブドウ。 

 ペペッラ(白ブドウ):もっともミステリアスでアマルフィ、トラモンティエリアのみにあるブドウ。粒がまばらで完熟しても、半数の粒は大きくならず胡 椒粒のように小さく、酸が高い粒が残ることから、Pepe(胡椒)よりネーミングされたブドウ ビアンカ テネッラ(白ブドウ):ビアンコレッラ(イスキア)と同じと言われているが、トラモンティでラッジェーラ仕立てで遅熟させた場合、骨格を持っ た酸、房は小さく粒も小さい、羽根房はなく密集してない。

醸造について

ブドウの収穫は 9 月下~10 月下、11 月に入ることも少なくないと話すアルフォンソ。特にティントーレは晩熟で、果皮まで成熟するのは早くても 10 月下旬になるというブドウ。白ブドウから順番に収穫が始まります。白はペペッラのみ約1 日、果皮と共に浸漬を行ってから圧搾、ビアンカテネ ッラ、ジネストラは直接搾りステンレスタンクにて醗酵。ロザートはマセレーションは一切行っていません。果肉にも色素があるティントーレ、果皮の 浸漬がなくても十分に色素を持ったモストが抽出できるという特徴があります。そして、赤については約 2~3 週間果皮と共に醗酵を行う。醗酵が 終わってから、約60%については栗の木の大樽で熟成を行う。 2010 年頃より、醸造において培養酵母の添加や、醗酵中の温度コントロールを段階的に行わなくなったアルフォンソ。しかし、専門的な知識や 経験値の無さから、どこか確認がないまま行っていたと漏らすアルフォンソ。しかし農学を学んできたフォルトゥナ―トが加わったことで、畑での作 業の質、土壌環境の改善だけでなく、醸造においても明確な意思を持つようになったモンテ ディ グラツィア。フォルトゥーナ曰く「ティントーレは非 常にマイナーで個性的でありながら、まだその本当に魅力を伝えるようなワイン造りが行えていなかった。晩熟であるこの果実が、その本来の姿を 見せるためには、圧倒的に「時間」足りなかった」。フォルトゥナートが本格的に醸造を任された 2017 年、記憶にも残るような猛暑で水不足となる 特徴的なヴィンテージ。それまでアルフォンソが考えていた「収穫から約 2 年でのボトル詰め」から、「収穫から 4 年間の樽熟成、ボトル詰め後 1 年以上の熟成」という驚愕ともいえる熟成期間を取りはじめました。 個人的なお話ではありますがモンテ ディ グラツィア、アルフォンソとの出会いは古く、2010 年に初めてカンティーナに伺ったことがありました。 その頃より飲んできた彼らのワイン。もちろん土地の独自性や品種の個性という魅力は当時から感じてはいましたが、それが必ずしも革新的な魅 力か?と言われると、懐疑的な部分もあったように感じています。しかし、今のモンテディグラツィアには、土地の個性、品種の独自性だけでなく、 その独自性や個性を明確に味わいとして具現化できている。そうはっきりと感じられるクオリティと、ワイン造りへのフィロソフィがある、そう感じま す。

父から子へ受け継がれていく伝統や味わい、それはいつも複雑でどちらかというと悲しさや残念さを覚える事が多いように感じます。それほどに そのすべてを受け継ぐというのは難しい、、。しかし、父であるアルフォンソを心から尊敬し、父が守ってきたものをより磨き上げ、形を大幅に変える のではなく昇華させるかのようなフォルトゥナ―トのワインへのフィロソフィ。ティントーレの可能性と性質を読み解き、ワイン造りには時間が必要と結 論付けた彼。今まで以上に時間を費やしたワイン造り。そして、新しい世代ならではの価値観やアイデアによって生まれた新しいキュヴェ。改めて もう一度、この小さなワイナリー「モンテ ディ グラツィア」について知っていただきたい。土地やブドウの個性は言葉で語るものではない、その味わ いにこそ、感じるべきもの。その核心がある魅力あふれるワイン、そして造り手です。

商品紹介

ビアンカ テネーラ40%、ジネストラ40%、ペペッラ20%、樹齢15~60年。ブドウ品種ごとに収穫を行う。収穫の遅いペペッラのみ、果皮と共に約半日のマセレーションを行う。圧搾後、果汁だけの状態で醗酵。ステンレスタンクで12カ月、ボトル詰め後6カ月の熟成。2022年は猛暑&雨のヴィンテージ。収穫は遅く10月中旬を過ぎてから。それでも糖度は上がらず、アルコールは11%程度と低く仕上がりました。計24か月以上の熟成期間を取ったことで、鋭い酸だけではなく、果実由来の香りやと土地のミネラル分、スパイスやスモーク香のような特徴を見せる白。

容量 750ml
タイプ
度数
11%
地域
イタリア / トスカーナ
生産者
モンテセコンド
ブドウ品種
ビアンカ テネーラ40%、ジネストラ40%、ペペッラ20%
その他


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モンテ ディ グラツィア / ビアンコ[2022]Monte di Grazia / Bianco
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